某研究室のHP管理人がぼやくblog


by sukura_shinya
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エコパックカイロの原理を簡単に2

エコパックカイロの原理を簡単にに引き続き。

前回は水をゆっくりと冷やすと0度未満になっても凍らずに水のままで存在する過冷却という現象が起きることを説明しました。

過冷却は水に限らず、液体(気体)を冷やしていく時に、固体(液体)になるべき温度以下になっても固化(液化)しない現象、もしくは状態を言います。実は、飛行機雲もこの過冷却によって生じるのですが今回は割愛。
また、この過冷却状態の液体(気体)に振動や小さな結晶をいれると瞬く間に固化(液化)が起きます。

エコパックカイロの中身の液体は室温では固体になるべき温度なのですが固化せずに液体のまま、つまり過冷却の状態にあります。この過冷却状態の液体に金属板で刺激を与えると中身が固化するのです。
では、なぜ液体から固体になると熱を発生するのでしょうか?実はココからの説明を簡単にしようと思うと結構難しいのです。


まずは、気体、液体、固体の復習については下記リンク先を参考にしてください。
ものの3つのすがた:固体⇔液体⇔気体の変化
1-1物質の三態

水を沸騰させると全ての水が沸騰するまで水は100℃のままです。どんなに熱を加えても水は100℃のままです。では、この熱は何に使われているのでしょうか?
答は、水が蒸発する為のエネルギーに使われているのです。これを蒸発熱あるいは気化熱とも言います。
気化熱は、注射の前にアルコールを湿らせた脱脂綿で消毒しますが、その消毒した部分がスーっと冷えた感じがしたり、打ち水をすると周りの温度が下がる時に体感することができます。これらは、液体が蒸発する際にエネルギーが必要なので周りの熱を奪い、周りの温度が下がるためです。
つまり、液体が蒸発すると周りの熱を奪う=周りの温度が下がるのです。
(水の沸騰では加熱に使われている熱を蒸発熱として奪うので温度が一定になっています)

では、逆に気体が液体になるときはどうでしょうか?
答は周りに必要ない熱を発する=周りの温度が上昇するのです。これは、液体と固体との関係でも同じで液体が固体になる際も、必要の無い熱を発するので周りの温度が上がるのです。

つまり、エコパックカイロは過冷却状態の液体に金属板で刺激を与えると中身が固化する際に発生する熱を利用したカイロということです。

ならば、どうして液体から固体になるときに熱の出入りがあるのでしょうか?
とドンドン突き詰めていくのが科学の面白いところです。
2回で終わらせるつもりだったんですが、3回目へと続くかも。
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by sukura_shinya | 2005-03-02 15:35 | 実験